滋賀県工業技術総合センター 令和5年度(2023年度)業務報告
7. その他
(1)技術開発室『レンタルラボ』の管理運営
本県では、「滋賀県産業振興ビジョン2030」の下、「変化への挑戦(Challenge for Change)」をキーメッセージに、県内中小企業が行う新製品の開発や新事業への展開を促進する様々な支援を行っています。その一環として、平成11年2月に当センターに設置した企業化支援棟を活用し、企業の技術力の向上、新産業分野の開拓、さらにはベンチャー企業等の起業化の促進に努めています。
この企業化支援棟には、技術開発室4室と電波暗室(3m法)があり、県内企業の技術開発と産業の振興を目的としています。特に、技術開発室は研究スペースを賃貸することにより、独自技術の開発や新製品開発に積極的なフロンティア企業や新規開発業者を育成支援しています。
令和6年3月31日時点の入居率は50%で、2者の入居利用がありました。
なお、下記の室については、技術開発室から使用形態を変更し、機器利用のための室として開放しています。
- 2号室……成膜試験室
- 3号室……シールドルーム
- 7号室……ものづくり高度分析支援室
1. 技術開発室設備
電気設備
単相100V・3相200V
給排水設備
各室内に流し台設置
LPガス
各室内に取付口設置
電話設備
各室内に端子盤(外線2、内線1回線)設置
空調設備
個別エアコン設置
防犯設備
警備保障会社連動による防犯方式
昇降装置
機器搬入エレベータ1機
床荷重
1階9.8kN/m2(1000kgf/m2)、2階4.9kN/m2(500kgf/m2)
2. 使用者の要件
県内において事業を既に行っている者あるいは開業をしようとする者であって、創業、新分野進出または新技術開発を志向し、具体的な研究開発計画を有する者および知事が適当と認めた者
3. 使用料
技術開発室 |
階 |
面積 |
使用料/月 |
---|---|---|---|
1号室 |
1階 |
51m2 |
93,840円 |
4号室 |
2階 |
51m2 |
93,840円 |
5号室 |
50m2 |
92,000円 |
|
6号室 |
50m2 |
92,000円 |
(2)企業・大学等訪問事業
当センターでは、県内企業の実情および技術課題やニーズを正確に把握し、事業の効率的な推進や見直しに活用するため、平成14年度から計画的に企業訪問調査を実施しています。平成19年度からはさらに広く皆様の意見を伺うため、広報誌等を通じて、訪問事業所を随時募集しています。
平成25年度からは、平成25年4月1日に施行された『滋賀県中小企業の活性化に関する条例』第12条で「中小企業活性化施策の策定および実施にあたっては、中小企業等の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるもの」とされ、当センターへの要望やモノづくり現場のニーズの聞き取りの強化を行ってきました。当センターへのご相談や機器利用、セミナーや講習会への参加など、多様な要望やモノづくり現場のニーズをお聞きするために引き続き県内事業所への積極的な訪問事業を行いました。
訪問先 |
地域 |
市町 |
件数 |
---|---|---|---|
企業・事業所 (29件) |
大津・南部地域 |
大津市 |
5 |
草津市 | 4 | ||
栗東市 | 4 | ||
野洲市 | 1 | ||
甲賀地域 |
甲賀市 |
7 |
|
湖南市 | 1 | ||
東近江・湖東地域 |
東近江市 |
3 |
|
近江八幡市 | 1 | ||
豊郷町 | 1 | ||
湖北地域 |
長浜市 |
2 |
|
合計 |
29 |
(3)令和5年信楽焼生産実態調査結果
令和5年度の生産額は前年比78%となり、約4割を占めていた建材が大きく下回った。一方で、食器の生産者による直接小売の販売形態も増え、対面販売やネット販売等、流通形態も多様化が進んでいる。また、インバウンド増加に伴い信楽町内でも海外の観光客を目にするようになったが、燃料や物価高騰により、物流の動きは低調で、厳しい状況が続いている。