滋賀県工業技術総合センター 令和5年度(2023年度)業務報告

6. 運営懇話会結果概要

 当センターの運営および業務等に関して、適切な評価および意見ならびに提言を得て、センターの効果的、効率的な運営に資するため、滋賀県工業技術総合センター運営懇話会を設置しています。

 令和5年度に開催した運営懇話会の概要は次のとおりです。

開催日時

令和6年3月13日(水)13:30~15:30

開催会場

工業技術総合センター2階大研修室

委員

座長

  • 和田隆博 龍谷大学 先端理工学部名誉教授

委員

  • 大日陽一郎 一般社団法人滋賀産業協会 技術委員会副委員長、山科精器株式会社 代表取締役社長
  • 大原 耕造 信楽陶器工業協同組合 理事長
  • 小川 栄司 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ 常務理事
  • 黒木 啓良 近畿経済産業局地域経済部地域経済課 課長
  • 二井谷春彦 ニデックマシンツール株式会社 代表取締役社長執行役員
  • 牧川 方昭 学校法人立命館 理事補佐 立命館大学 名誉教授
次第等
  1. 開会
  2. センターの運営・業務説明
    1. センターの概要
    2. 業務別の説明
      • 電子システム係、機械システム係の業務
      • 有機材料係、無機材料係、食品・プロダクトデザイン係の業務
      • 信楽窯業技術試験場の業務
    3. 前回評価に対する対応状況
  3. 委員からの評価、意見、提言等[質疑応答]
  4. 座長総括
  5. 閉会
委員からの意見・提言に対する回答

意見・提言

回答

グリーントランスフォーメーションの視点において、自動車産業のサプライチェーン全体におけるカーボン排出についての計測技術が求められている。中小企業単独での対応は難しい面もあり、工業技術総合センターには産業支援プラザ等と連携しながら、かかる企業支援を進めていただきたい。

 今後の企業ニーズの把握に努め、産業支援プラザ等と連携を図り対応していきたいと考えています。

信楽窯業技術試験場の研修生等、新たに窯業に取り組む方々は、小物ロクロを対象とされる方が多く見受けられる。信楽はそもそも大物が主体というアイデンティティがある。広く大物の魅力、楽しさを伝えていただきたい。

もともと信楽は、大物が特徴とされているが、昨今の住宅事情等により、使いやすいものが望まれる傾向にあります。産地の実情も踏まえながら、興味を持っていただけるよう大物の魅力、楽しさについても研修等の機会で伝えていきたいと考えています。

研修生の就職先はどのような状況か。

1~2割は、跡継ぎ、8割は県内に就職。引き続き県内の就職につながるよう取り組んでいきたいと考えています。

信楽での短期技術研修の成果に期待している。

業界からニーズがあり、信楽焼業界技術力の底上げを目的に開催しました。受講者は、今のところ後継者や個人で活動されている事業主などです。まずは、試験場を知っていただきたいという思いがあり、職員のスキルアップも目指して行って参ります。

イノベーションの推進は、単に機械を貸すだけではなく、多様な人材と活発なコミュニケーションが必要と考える。試験機器の利用件数が減少したことにこだわりすぎず、むしろ良い成果を上げることを目指していただきたい。

センターでは、これまでも設備の利用により得られた試験結果について、そのデータの見方、推測される要因について、利用者との議論を深める取り組みをしております。測定データの提供のみならず、利用者の目的である、「結果をしっかりとユーザーに説明し問題を解決すること」を意識したコミュニケーションを心掛け、満足していただけるよう引き続きサポートして参ります。

水素等、新しい技術のロードマップを作成いただきたい。そのロードマップを共有しながら、適切な出口戦略を立てていただきたい。

全体の技術のロードマップは、国で先導いただくものと考えていますが、企業からも応援いただき、国と一緒に考えていきたいと考えています。また、技術的方向性を見極めながら適切な出口戦略について検討して参ります。

センターの役割は、世の中のトレンドをフォローすることであり、現在のセンターは、大きく外れていないと思われる。一方で、安易に流行に流されず、応用力のある人材育成をお願いしたい。

技術研修によるセミナーや講習会の開催を通じて、企業の技術人材の育成サポートや、AI活用による研究開発を通じた技術確立、セミナー等による情報発信を通じ、生産現場の自動化や省力化など、企業の新たな人材育成に資する取り組みを行って参ります。